コーヒー嫌いを克服させたヨーロッパのコーヒー。違いは豆ではなく…
コーヒー嫌いを克服させたコーヒーとは
私が初めてコーヒーを一杯まるまる飲み干したのは、イタリア旅行中の事でした。
実家では両親がコーヒーをよく飲んではいましたが、それまで一度もコーヒーが美味しい、と思ったことはなかったのです。どちらかと言えばコーヒーは嫌いで、紅茶党。でもせっかくイタリアに来たのだからとコーヒーを飲んでみたら、なんですかこれ!な美味しさ。
イタリア滞在中はバルに入れば「ウン・カフェ・ペルファボーレ(コーヒーひとつお願いします)」とコーヒーを頼み、私のコーヒー嫌いは克服したかのように思われました。
が、日本に帰ってきてコーヒーを飲んでも、やっぱりおいしくない。イタリアの豆だからおいしかったのだろうか。いやでもイタリアで買った豆で淹れたコーヒーもなんか違う。こうしてコーヒーから再び遠ざかってゆきました。
その後しばらくして、フランスの友達を訪ねた時。ふらりとテラスのあるカフェに入ったのですが、友達が何も聞かずにコーヒーを注文。(注文した後でコーヒーでいいよね?と聞かれた。さすが?フランス人。)コーヒー得意でないんだけどね…。と内心思いつつ口にしたらあらやだ、美味しい。
しかし日本に戻ってコーヒーを飲んだら、やっぱり違う。そして三度目。再びフランスを訪れた時、私はようやく何が違うのか気づいたのでした。(遅いよ!)
ドリップコーヒーとエスプレッソの違い
その違いとは、フランスのカフェやイタリアのバルで出てくるコーヒーが、ドリップコーヒーでなく、エスプレッソである事!道理でカップがちまっとしていたわけです。(デミタスカップと言うらしい。)
イタリアでも、フランスでも、「エスプレッソ」ではなく「カッフェ」と言うので気づくのに時間がかかったのです。(後々、ガイドブックに書いてあったことに気づいた。)というわけ前置きが長くなりましたが、コーヒー嫌いを克服させたコーヒーとは、エスプレッソだったのです。
苦ーいイメージがありましたが、小さなデミタスカップにたっぷり砂糖を入れてクイッと飲んだり、甘いチョコレートやクッキーを一緒に食べると至福の味。イタリア出身の友達に言わせればエスプレッソに砂糖を入れるのはお子様なんだとか。
子どもでも余裕でコーヒーを飲む国、イタリア。でもイタリアでも普通に砂糖じゅわっと入れてる大人の人、結構見かけたので多分好みの問題だと思われます。笑
エスプレッソマシンがなくても家でエスプレッソが作れる?
美味しいコーヒーを家でも飲みたい!(引きこもり体質)日本でも飲みたい!でもエスプレッソマシンって高いよね…。と思っていたら、家庭ではこういうのを使うよと教えてもらいました。それがマキネッタ。
そういえば日本でもヨーロッパ出身の友達の家に遊びに行くと必ず置いてありました。マキネッタってなんぞやという方もいらっしゃると思うので、画像を。モカエキスプレスとも呼ばれるこれ。
そもそもエスプレッソは圧力をかけて抽出したコーヒー。このマキネッタはコンロで熱して圧力鍋と同じ原理でコーヒー豆に圧力をかけて抽出します。
厳密にはマキネッタで作るコーヒーはエスプレッソマシンよりは圧が弱いので、出来たコーヒーを「モカ」とも呼ぶのだそうです。豆の名前に「モカ」があったり、シロップを入れた「カフェモカ」なんて飲み物があったりするのでなかなか紛らわしい。
「モカ」はエスプレッソよりは濃厚さに欠けるけれど、十分に濃ゆい。家で飲む分にはこれでも十分。イタリアやフランスでは一家に一台はあると言われているのがわかる気がします。だって手軽だもの。
たまたま通りがかった路上のマルシェで売っていたので(フランスではスーパーでも売ってた)1カップ用の小さなマキネッタと五徳と共に買って日本に帰りました。山積みで気軽に売られていたところからも、普及率の高さがうかがえます。
こうして私はカフェのエスプレッソには負けるけれど、家でも美味しいコーヒーが淹れられるようになり、自宅で毎日のようにコーヒーを飲むようになったというわけです。
マキネッタのデメリット
しかし問題がひとつ。私が買って帰ったマキネッタは1カップ用。独りで飲むにはいいのですが、誰かと一緒に飲むには、一杯ずつ作らないといけません。面倒くさい。実はマキネッタのサイズはいろいろあって、1カップ(30cc)から18カップ用の大きなものまで、種類も豊富。
インターネットの大海に泳ぎ出でて探してみたらありました。天下のAmazon様に!楽天にもありました。特にマキネッタを作っているブランドで一番有名なイタリアのビアレッティ(Bialetti)のはわんさか。日本で購入しても価格はお手頃で安心。
マキネッタの難点は、大は小を兼ねないところ。大きい奴は指定されたカップ分より少ない量のコーヒー(モカ)が作れないのです。実家では3カップ分を購入。2人でも飲みきれるし、いざとなれば1人分と併用して4人分作れるので。
小さいものは家庭用のガスコンロでは小さすぎて安定して置けないので専用の五徳を使います。実家を出た後、一度魚焼きグリルの網で代用したらゆがんでしまったので慌てて購入。ゆがんでも良ければ、餅焼き用の網でも代用可能。
ステンレス製か、アルミ製か
通常マキネッタはアルミで造られていて、コーヒーの油分がアルミの表面につくことで、アルミ臭さが抜けていい味になるらしいのです。その油分が落ちてしまってはいけないので、洗うときは洗剤が使えません。
それだとちょっと衛生的に・・・と思う人にはステンレス製のものも売っています。実家を出た今、私はこっちのステンレスモデルのヴィーナス・2カップ用を新たに購入して愛用中。
(実家で使っていた1カップ用を持って行こうとしたら、お母さんが使うから持って行かないで!と拒否られました。笑)
スタイリッシュなデザインで、手入れも楽。ですが、やっぱりあの角ばったマキネッタが時々恋しくなったりもします。悩みどころ。どちらもキッチンにぽんと置いておいても絵になるし、電動エスプレッソマシンより場所も取らないし安価なのでとってもおすすめ。(とはいえ、手間を考えたら電動マシンもちょっと欲しかったりする。)
マキネッタでカフェラテを作る時のコツ
豆はILLYのエスプレッソ用を使ったりもしましたが、最近は豆屋さんで買っています。コーヒー豆屋さんで豆を買う時、豆を挽く粗さは1から10の段階で選べるのですが、ビアレッティのマキネッタには2.5の粗さをおすすめされました。
胃腸が弱いのでミルクたっぷりのカフェラテにして飲む事が多いです、と世間話をしていたら、入れるときはホットもアイスも、ミルクを先にカップに入れてからコーヒーを注ぐといいよ、と教えてもらいました。
家で実践してみると不思議。逆の順番よりもずっとマイルド。牛乳は暑い時期はアイスで、肌寒い時期はレンジの牛乳モードで温めたものを使います。
出かけるときは保温機能付きのタンブラーに入れて持ち歩けば、カフェに寄らずとも、美味しいカフェラテが飲めます。平日、だいたいお弁当なので、昼食を食べ終わった後の私のささやかな楽しみ。カフェインで目もしゃっきり覚めて午後の活力になります。
コーヒーのお供にはブラウンシュガーとシナモンの効いたベルギーのクッキー、ロータスを忍ばせて。普通に食べるとめちゃくちゃ甘いのですが、コーヒーに良く合います。
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旅を始めたのは、実はチャイがきっかけでした。
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